6月23日16時0分
福岡管区気象台 鹿児島地方気象台
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
6月19日から23日15時までの桜島の活動状況をお知らせします。南岳山頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規模な火砕流を伴う噴火が発生するおそれがあります。
桜島では、20日06時頃から島内に設置している傾斜計及び伸縮計で、山体膨張を示すわずかな地殻変動が観測されています。なお、22日頃からわずかな収縮傾向が認められますが、山体が膨張した状態は維持されています。
この山体膨張が一度に解消されるような噴火が発生すると、2018年6月16日の南岳山頂火口における噴火のように、多量の降灰及び小規模な火砕流を伴う可能性があります。また、やや規模の大きな爆発が発生し、火口から1kmを超えて大きな噴石が飛散する可能性もあります。
桜島では、噴火活動が続いています。
南岳山頂火口では、ごく小規模な噴火が時々発生しました。
昭和火口では、昨日(22日)04時38分に爆発が発生し、噴煙は火口縁上600mまで上がりました。弾道を描いて飛散する大きな噴石は最大で昭和火口より500mまで達しました。
南岳山頂火口では、夜間に高感度の監視カメラで火映を観測しました。昭和火口では火映は観測されていません。
火山性地震は少ない状態で経過しています。火山性微動は観測されていません。
昨日実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は1日あたり1400トン(前回6月14日、1900トン)とやや多い状態でした。
GNSS連続観測では、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)を挟む基線では、長期にわたり姶良カルデラの地下深部の膨張を示す緩やかな伸びがみられています。
桜島では、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部にマグマが長期にわたり蓄積した状態であり、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量も概ね多い状態であることから、今後噴火活動が活発化する可能性があります。今後の火山情報に注意してください。
火山性地震、爆発の回数は以下のとおりです。なお、火山性地震の回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。
火山性地震 爆発
6月19日 1回 0回
20日 4回 0回
21日 4回 0回
22日 3回 1回
23日15時まで 1回 0回
南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るため注意してください。
爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生する可能性がありますので留意してください。
火山の状況に関する解説情報(詳細)
https://www.jma.go.jp/jp/volcano/info.html
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